Hatena::Groupsonnzaishiterudakedatta

猿匹目の百

 | 

2009-12-07

Civilization Revolution風 文フリ乱戦 レポ

20:33

 実は彼が微(かす)かな声で呟(つぶや)いているのである。「俺(おれ)はばかだ」とか、「どうして俺はこうなんだろう」とか、「もうだめだ。俺は」とか、ときとして「俺は堕天使(だてんし)だ」とか。

中島敦 悟浄出世



f:id:Slob:20091207201237p:image


 選択文明は鳥取。隣のバカ犬が騒いでいたため開始ターンは日曜としては異例の午前8時という有様で、とりあえず上体だけムクリと起こし、L字型のまま軽く屁をひってみたが、カーテンの向こうでは晩秋の陽光が凝っと大地を暖めているばかり。ぼりぼりと脇腹・頭・肩と四方八方を掻きだすが、この行動に意味があるはずもなく、また爪の間の老廃物以外の収穫物もまたない。常のことだ。ただ、ひとつだけ常ではないことがあったとすれば昨夜の夢であり、それは土曜の午睡の折に見た夢の続きであったのだが、ここでは割愛したい。


 朝飯を食い、布団の埃のついたままのジャージで庭に出る。カラカラとプラスチックの滑車を回してホースを伸ばし、蛇口をひねって水を出す。土を掘り、草を抜き、水をやる。果たして庭とはこのような手間をかけてまで維持すべきものなのであろうか、云々、という話はさておき、ものぐさな性分なので、木も塀もマイカーもあったものではなく、盲滅法に水をかけてまわり、早々に切り上げる。裾が濡れた。すべてが億劫になり、布団を干すのはまたでよかろう、となり、前日に大規模古書店で買っておいた掘骨砕三の漫画を読み始める。爽やかな朝、希望の朝。


 三冊ほど読んだあたりでエロと幻想にあてられて不思議な気分になる。というかエロ漫画やや苦手なんだよね。実写だろ実写。いやはや。しかし何にあてられたところで退屈な日常は退屈なままなので、退屈な私はいつものようにパソコンを起動するだけだ。Twitter。スクロール。ああそうだね文フリだったね。そんなん言ってたな昨日。3時だから今朝か。えらいことだよ。ともあれ私は脊髄反射で



京急蒲田駅と蒲田駅間違えた。どうしよう、こっからタクシーか? 12/6 午前 11:12 from mobile web



 という文章を携帯から投げる。何が蒲田駅だおまえのスタート地点は鳥取で蛮族からもらったガレー船しかないではないかという話だが、知るか。私は鳥取に生まれ鳥取に死ぬが、それとは一切関係なく「蒲田駅なう」と書く権利ぐらいはあるのだ。「蒲田駅なう」!「蒲田駅なう」!「蒲田駅なう」!三度叫んで踵を鳴らせばやはりそこは鳥取だし、私の家だ。家だが、御筆先に責任が取れるものかね、君。そこで私は立て続けに



はーねむい 12/6 午前 11:21 from mobile web



違った、本物のつげ義春だった。さすが東京だなー。 12/6 午前 11:26 from mobile web



 などの怪気炎を上げる。が、程なく沈黙している。これは早々に飽きたのが5割、昼飯時が近づいているのでそれどころじゃなくなったのが5割のキメラである。ちなみに文学フリマに関する最後の発言は



あとは岩崎さんの272ページ折本をどうするかだな。 12/6 午前 11:57 from mobile web



 であった。事実強い。







 こうして私の第九回文学フリマは幕を閉じた。公式によると終了時間は午後4時であったそうだから、向こうでは都合4時間ほどなにがしかの事はやっておったらしい。まあそうだ。向こうには向こうのハレがあり、こちらにはこちらのケがあるのだ。私は、いや俺はだな、その後すべての予定をぶっ潰してFPSをやっていたよ。弾をピュンピュン飛ばしてだな、敵を、そう敵を殺すんだよ。あいつら次々穴ぐらから出てきやがる。そこを陰で待ち構えた俺が順繰りに。バンバンと。ザクザクと。ビシビシと。的確に。正確に。集中して。


 さてその後の話だ。特定界隈では、同好の士たちによる6時間にも及ぶ宴席が設けられたらしい。深夜も日付をまたいだ頃、帰宅した握力とつげの語る、馬鹿馬鹿しくも楽しげな土産話を聞きながら、会議通話の向こうで俺は、ケッ、とか、ふぅん、とか、ハァ、とか、とにかく愚にもつかない感覚を捏ねくり回していたが、そんな益体もない感傷とは無関係に、準備し疲れ手伝いし疲れ飲み疲れ語り疲れたつげはマイクをつけたまますやすや眠ってしまい、赤ん坊のように深々と眠り続けて十五時間経ったのにまだ起きない。よっぽど疲れていたんだね。

 |